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【特集】InnoHub活用事例インタビュー|東京医科歯科大学 × サスメド株式会社

InnoHubを活用することで共同研究(2021年度AMED研究開発推進ネットワーク事業に採択)につながった東京医科歯科大学脳神経病態学分野(脳神経内科)講師 桑原宏哉(くわはら ひろや)先生とサスメド株式会社代表取締役社長 上野太郎(うえの たろう)氏にお話を伺いました。

参考:【ご報告】東京医科歯科大学とサスメド株式会社の共同研究がAMED事業に採択されました!

     東京医科歯科大学 桑原宏哉先生
     サスメド株式会社 上野太郎氏

今回採択された共同研究はどのような内容なのでしょうか?

桑原 我が国の臨床試験は高コストかつ非効率であり、厚生科学審議会臨床研究部会でも「限られたリソースを効率的に活用し、研究開発の効率性を高める可能性がある」(令和元年12月6日)とされています。今回の共同研究では臨床試験の中でも特に労働集約的なモニタリング業務をデジタル技術の活用により信頼性を確保しつつ効率化することを目指しています。現行の臨床試験では紙のワークシートを用いて記録を行うため、データ転記や原資料との照合に手間がかかっています。そこで、ワークシートを電子化するとともに、ブロックチェーンネットワークを構築することによってこれらの課題を解決しようという試みです。(下図参照)。

                  ブロックチェーン技術を用いたモニタリングの概要

上野 当社はこれまでに内閣府サンドボックス制度を活用し、臨床試験でブロックチェーン技術を活用することによってデータの信頼性確保が可能であることを検証してきました。今回の共同研究では、それに加えて臨床試験の効率化も実現できることを示したいと考えています。

InnoHubはどのような役割を果たしたのでしょうか?

上野 これまでNEDOの事業等で経済産業省の担当者とのつながりがあり、その中でInnoHubを紹介いただきました。InnoHubを通じて様々なサポーター団体にアプローチができるということで、東京医科歯科大学にお声がけをさせていただく機会が得られました。医師の立場でありながら行政での経験や制度設計の深い知見を持つ先生が多くいらっしゃり、大変心強く感じています。
桑原 当学はInnoHubのサポーター団体として登録していたため、このようなマッチングにつながりました。最初にサスメド社の技術について話を聞いた時、非常に有望な技術であると直観しました。当学としては外部の技術を取り入れる形での産学連携にも積極に取り組んでおり、InnoHubは魅力的な技術を持ったベンチャー企業などに出会える良い場となっています。

共同研究にいたるまでに課題はありましたか?

桑原 サスメド社の技術に対して理解を深めるのに時間を要しました。今回の臨床研究には医師をはじめとして、スタディマネージャー(※1)やモニタリング担当者(※2)、データマネージャー(※3)など多くの関係者が携わっています。それぞれ専門分野が異なり知識も断片的であることから、お互いの立場からの見解が異なることもありました。サスメド社も含めて何度も打合せを行い、考えのすり合わせを行うことで話が進むようになりました。
上野 桑原先生には多くの関係者がいる中で調整いただき感謝しています。アカデミアとの共同研究では双方の立場を理解してお互いの言語を理解する必要があるので、幅広い見識をお持ちの先生が学内で説明してくださったことで共同研究に繋がったものと思っています。

※1:臨床試験の円滑な実施のための運営管理を行う者
※2:臨床試験が適切に実施されていることを確認する者
※3:臨床試験におけるデータの品質管理を行う者

イノベーションの社会実装にあたって、必要なことは何でしょうか?

桑原 アカデミアであってもベンチャー企業であっても、人材の交流が少ないことがボトルネックだと感じています。米国では医師が大企業に就職したり、気が付けば起業していたり、また元に戻っていたりとかなり流動的です。日本では医師の評価体系なども影響し、多様なキャリアパスを描くことが難しい状況にあります。ステークホルダー間の人材の往来が進むと状況が変わってくるのではないかと感じています。
上野 私は臨床現場での課題を解決するために起業しました。医療の世界ではチャレンジすることがなかなか評価されづらいこともあり、リスクを取らざるを得ない状況があります。アカデミアから企業を目指す方に自身の経験を伝えることができればと考えています。


桑原先生、上野様、お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。
InnoHubが得意とする”相談者とサポーター団体とのマッチング”が、今回の共同研究の成立に貢献できたことを大変嬉しく思います。一方で、マッチングが成立した後に生じた課題なども率直にお話いただき、これから同様な共同研究を目指す方々に向けた示唆もいただけました。
本共同研究の進展により、将来の臨床試験に大きなイノベーションがもたらされる日を心待ちにしております。

InnoHubは、ヘルスケアやライフサイエンスに関わるベンチャー企業等の相談窓口です。サポーター団体やアドバイザーとのマッチングを特に強みとして、多様なネットワークを活用して相談者を支援し、スタートアップエコシステムの形成を目指しています。
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