【特集】海外の支援制度・イノベーションハブをピックアップしてみました
前回のアンケートの中でも、InnoHubジャーナルで市場の動向等、情報の提供がもっとあってもいいのではないか、というお声が聞かれました。
何がよいだろうか…とネタ探しをしている中で、
ベンチャー支援策のページの中に、日本のベンチャーが使える海外のベンチャー支援策が並んでいることを思い出しました。
海外どころか、国内の移動も憚られる状況ではあるのですが、いずれ海外展開が従来のようにできることを見越して、
まずは欧州から3か国ピックアップしてみました。
目次
イギリス
Entrepreneurs setting up in the UK
イギリスは、英国政府は海外のスタートアップ企業に対して、会社設立の理想的な場所としてアピールしていて、その一環として
グローバル起業家プログラム(Global Entrepreneur Program:GEP)と呼ばれる、海外の起業家やアーリーステージのテクノロジー企業やスタートアップ企業の事業拠点を英国に移動する際の支援プログラムがあります。
これは、「ビジネスプランの改善支援」「イギリスへの移住支援」「投資家への紹介」「国際展開に向けた支援」「経験のある起業家とのメンタリング」を無償で提供するものになります。
また、アクセラレータも多様に存在しており、その中でもTechstar Londonはジェトロのグローバル・アクセラレーション・ハブ(GAH)で、
コーポレート・イノベーションのサポートも行っています。
フランス
La FRENCH TECH TOKYO
フランス政府は2013年にフランスのスタートアップのエコシステムを支援し、国際的なレベルまで促進するためのイニシアティブとなる 「La French Tech」を立ち上げて以降、欧州でも有数のスタートアップ大国となっています。
海外からの起業家の取り込みにも積極的であり、世界22か所にアクセラレーション拠点としてフレンチテック・ハブを設立していて、東京にもハブが存在しています。
フレンチテック・ビザ
ビザの取得も「フレンチテック・ビザ」という制度があり、
外国人の起業家、スタートアップの従業員、投資家向けに、「Passeport Talent」と呼ばれる滞在許可の取得を容易にする措置がなされています。
インキュベータやアクセラレータ・プログラムへの受け入れが決まっているスタートアップや起業家、
フレンチテック・ラベルを持っている仏企業に採用が決まった外国人従業員、フランスへの進出を望む国内外の投資機関からの派遣者、外国人ビジネス・エンジェルが対象となり、ビザの期限は4年で1度更新が可能な制度です。
StationF
インキュベーションの仕組みとしてはStations Fが非常に著名で、3万4000m2というスペースにスタートアッパー3000人が入居可能、ファブラブ、ポップアップストア、カフェ、レストラン、370席の会議場などを揃えていて、
医療・バイオ系の入居スタートアップ企業は、Station Fが提携するラボにおいて、テストを受けられる、といった特権もあります。
また、このStationFが実施するFounders Program、Fighters Programはパリで働くのであれば世界中どこからでも(日本からでも!)参加可能です。
フィンランド
フィンランドは2018年の『グローバル・イノベーション・インデックス』で第7位を占めており、
こちらも世界有数のイノベーション創出国としての地位を確立しています。
BUSINESS FINLAND
フィンランド経済・雇用省傘下の政府機関であるBusiness Finlandは、イノベーション基金、国際化サービス、投資(海外ベンチャーキャピタルによる投資含む)誘致、インバウンド観光促進を目的としていて、
研究コミュニティ、産業、サービスセクターにおけるイノベーション活動を高めることを目指しており、テクノロジーにおける革新に資金助成を行うとともに、海外スタートアップの誘致の取り組みも行っています。
HELSINKI BUSINESS HUB
ヘルスケア×日本ベンチャーの進出という観点で着目したいのは「Helsinki Business Hub」です。
これはフィンランド首都圏の投資促進機関で、特に
・Information and communications technology
・Health: personalized health & med tech
・Smart & clean solutions, especially related to smart buildings & smart mobility
の領域で、外国企業の開業や成長・発展を支援しています。
提供するサービスとしては、
・ビジネスの情報
・R&Dや投資家・スタートアップパートナー等のマッチング
・企業とスタートアップ間のコラボレーション
・パイロット事業へのアクセス
・投資家向けのフィンランドベンチャーの情報提供
等を実施しています。
なんと日本語ページがあり、日本からのアプローチも比較的しやすいのではないでしょうか。
やや不慣れな形になった気がしますが、今後もこうした情報提供も定期的に行っていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。