【特集】JHeC2021ファイナリストインタビュー|ビジネスコンテスト部門グランプリ 株式会社Magic Shields 下村様
ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC)2021 ビジネスコンテスト部門でグランプリを受賞された株式会社Magic Shields代表取締役 下村明司(しもむら ひろし)さんに、JHeCに参加した感想や現状についてお話を伺いました。
下村さんは2019年に株式会社Magic Shieldsを創業。「世界から事故や暴力を無くす」をビジョンに掲げ、骨折リスクを軽減する「転んだ時だけ柔らかい床とマット ころやわ」の研究開発、製造、販売を通じて高齢者の転倒による大腿骨骨折という社会課題の解決にむけ事業を展開していらっしゃいます。
株式会社Magic Shields 代表取締役 下村 明司 さん
目次
下村さんがJHeC2021に応募したきっかけは何だったのでしょうか?
JHeC2020のアイデア部門でグランプリを受賞したカイテク株式会社さんのことを知っていて、それがきっかけでJHeCのことを知りました。
2019年の創業後はJHeC2021に応募する前にも、様々なコンテストには出場してきました。地元浜松での浜松いわた信用金庫主催チャレンジゲートや日経新聞主催のHealthtech/SUMでは最優秀賞を頂きました。そんな中、JHeCは経済産業省が主催するコンテストということで、社会課題解決に向け取り組む当社事業について省庁の方にも知って頂ける良い機会だと思いました。また世の中にも広く我々の事業を認知してもらいたいと思い、応募しました。
実際にコンテストに参加されて良かったと感じたことはありましたか?
やはり当社事業の認知度が向上したことが最も良かったことだと思います。グランプリ受賞をきっかけにお問い合わせや取材依頼を多くいただきました。また、グランプリ受賞は企業としての信頼性の向上にもつながったと思います。ベンチャー企業にとって、営業活動の際にお客様に知っていただきその上で更に信頼して頂くというのはとても苦労することの一つですが、グランプリを頂き社会的に評価いただいたことは営業活動の際にもよいアピールとなっています。
グランプリ受賞は社員のモチベーションアップにも繋がりました。我々もベンチャー企業として困難を乗り越えながら日々頑張っているわけですが、第三者に評価してもらえたという経験は社員にとってとても報われる瞬間でしたし、自信にも繋がりました。また私自身サラリーマンから起業したわけですが、グランプリを受賞できたことで家族に少し安心してもらえたかなと思っています。
JHeC2021 授賞式の様子
山本 政策統括調整官(左)、下村さん(右)
コンテスト応募時や最終審査へ進まれる中で見つかったご自身の課題などはありましたか?
コンテストによって伝える内容や強調するポイントを明確にしていくことの重要性を考えながら参加していました。今回は主催が経済産業省ということで、テーマとする社会課題の重要性については当社の考えをしっかりと届けるよう心がけました。また輸出産業の創出といった点も含めて、当社がビジネスとしてこの社会課題に取り組む意義について伝えることも重要だと考えていました。
コンテストの参加前後で、コンテストに対する印象に変化はありましたか?
JHeCというコンテストは単にヘルスケア分野の事業やアイデアを評価するだけでなく、起業家のストーリーをいろいろな方に知って頂く場所にもなると感じました。プレゼンテーションを通して当社事業を知っていただけたのはもちろんですが、サラリーマンエンジニアだった自分が社会課題に気づき独立、起業するというアクションそれ自体を、起業家の姿としてお伝えできたと思っています。JHeC参加後にはこれから起業を志す方や同じ境遇に身を置く起業家の方から声をかけていただくようになりましたし、新規事業開発のセミナーでの講演など、自信の経験を共有できる機会も増えました。
コンテスト参加後の事業の進捗、コンテストを契機とした進展はありましたか?
既にお話したことと重なりますが、ベンチャー企業として官庁が主催するコンテストでグランプリをいただけたことで社会的な信頼性を獲得することが出来ました。
またそれによって導入実績も伸びています。JHeC参加当時の導入施設は40件弱だったと思いますが、今では100件を超えるまでになりました。高齢者の転倒骨折は年間100万件発生しているので、その全てに「ころやわ」を提供できるようこれからも事業を拡大していきたいと思っています。
JHeC2021 下村さんによるプレゼンの様子
コンテスト後には審査員との面談などのフォローを受けられましたが、その印象や感想はどうでしたか?
コンテスト後には審査員の方と話す機会を頂くことが出来ました。ただ、実際のところグランプリ受賞をきっかけに各方面からたくさんの引き合いやご連絡を頂いて、受賞後まずはその対応に全力を注いでいたというのが本当のところです。これからも事業を拡大し、年間100万世帯に「ころやわ」を届けるべく頑張っています。海外展開も含めて今後のさらに事業拡大を進めていく際には、審査員やInnoHubアドバイザーの方にも相談できればと思っています。
最後に、JHeC2022への応募を検討されている方々へメッセージをお願いします!
私からのメッセージは、とにかくどんどんやろう!ということです。創業間もない方、起業するか迷っている方にとって、このコンテストは自分の事業やアイデアを見直すチャンスです。また、受賞できればそれは自分の事業やアイデアが社会的に評価されたことの証にもなります。いろいろな場に立って話し伝えなければどんなに良い事業も世の中に知ってもらえません。起業家は表現者でなくてはなりませんし、支援してくださる多くの方を巻き込む力が必要だと思っています。JHeCはそのために自分を磨く良い機会になると思います。
JHeC2021 グランプリ決定後のフォトセッション