【特集】InnoHub活用事例インタビュー|株式会社シンクロアイズ

InnoHubに相談に来られ、その後InnoHubが提供する支援を受けて事業を大きく前進された株式会社シンクロアイズについて、InnoHubに相談した経緯と支援を通じた効果について紹介します。 この度は、株式会社シンクロアイズ代表取締役武井理さんにお話を伺いました。


株式会社シンクロアイズの方々(一番右端が武井理さん)

貴社の事業について教えてください。

当社では、スマートグラスを活用し、現場の作業者の目線を共有することで、遠隔から指示を出すことができる、カメラとディスプレイを内蔵した遠隔作業支援システム「SynchroAZ」を提供しています。これにより、ベテランスタッフが現場に赴くことなく作業を進められるため、人手不足の解消、生産性の向上に寄与することができます。自分が現場で泥臭く働いていた経験を持っているため、SynchroAZは、とにかく現場で使いやすい商品であることが重視されています。また、現場とはZoomを介した接続が可能であり、汎用性の高さも魅力です。

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株式会社シンクロアイズが提供するSynchroAZの仕組み
SynchroAZのスマートグラス
SynchroAZのスマートグラスの装着イメージ
SynchroAZの活用イメージ(太陽光を用いた発電設備の保守作業)

事業展開するにあたって課題は何でしょうか。

InnoHubへの相談当時、SynchroAZは開発済で、商品の良さには自信があり、医療業界を含む様々な業界での活用を期待しておりました。一方、建設業界や製造業界では使用実績がありましたが、医療業界での使用実績がなく、ほとんど知られていませんでした。また、自分は医療業界での商習慣を知らず、コネクションもなかったため、どのように医療業界でSynchroAZを展開していけばよいか、悩んでいました。地方の後発の中小企業が新しく製品を出したとしても、知名度が低ければ使ってもらうことは難しいです。いかに知名度を上げるかが、一番の課題でした。

InnoHubを何で知りましたか。

当社の事業展開を支援していた担当者が、国内のビジネススクールに通っており、そこの知人を通じてInnoHubを知りました。実際の相談時は、まず厚生労働省のMEDISOに申し込んだところ、薬事以外の相談もできるとしてInnoHubの紹介を受け、そこでInnoHub面談を申し込みました。

InnoHubの初回面談ではどのようなことを話しましたか。

まず、InnoHubの仕組みを担当者の方から説明頂き、私からもSynchroAZについて説明しました。その後、医療現場における活用の在り方や、マーケティングの進め方について意見交換し、続くアクションとして、InnoHubが有しているサポーター団体の中から、適切なつなぎ先として医学部を有する大学を紹介頂きました。つなぎについては、InnoHubから提供してもらったテンプレートに沿って、その方々への簡単な資料作成をしました。また、新規相談案件の紹介として、InnoHub通信に掲載頂くことで、サポーター団体を中心に、幅広く周知していただきました。

InnoHubのサポーター団体・アドバイザーにどのようなことを求めましたか。

もともと、医療現場での活用が見込めるのではないか、という仮説はありました。一方で、医療現場に関する知識は乏しく、活用の在り方についての検討が不十分でした。InnoHubの相談前にも、病院や大学に直接コンタクトを試みたことはありましたが、具体的な実証、導入まで話が進展することはありませんでした。どうにか医療現場での活用に向けて事業を進めたいと思い、病院を含め、様々な医療関係者とのコネクションを持つInnoHubに相談しました。

どのようなサポーター団体とつながれて、その後どのような進捗がありましたか。

東京医科歯科大学と繋がることができました。特に、東京医科歯科大学でご相談に乗っていただいた先生は、医療現場とベンチャーの両方の立場から物事を考えていただける方であり、SynchroAZの医療現場での活用の検討や、医療現場での導入に向けた学内調整等において、非常に幅広い支援を頂きました。

また、InnoHub通信に掲載頂いた結果、SynchroAZのWEB説明会に、サポーター団体から申し込みを頂くことができました。

InnoHub相談前と後で比べてみて、どのような進捗がありましたか。

東京医科歯科大学につないでいただいた結果、教育や救急等、活用が期待される場面の責任者の方に、SynchroAZのご紹介を頂くことができました。医療現場での活用は、特に信頼が求められるため、一事業者での相談はなかなか難しいです。信頼のある先生からの提案であったため、受け入れていただいたのだと思います。

また、最終的には東京医科歯科大学との共同研究に繋がり、東京医科歯科大学からプレスリリースも出されました。著名な大学病院での活用実績は、信頼性の観点から非常に大きな効果があり、SynchroAZの他領域への展開にもよい影響があると考えています。

プレスリリースはこちらです。

今後の展望を教えてください。

将来的には診療での活用もありうると考えており、製品の作り込みや、対象とする臓器等の検討を行っています。また、医療現場でも教育の場面に活用されましたが、他の現場でも教育のツールとして活用されることを見込んでいます。例えば、訪問介護事業者での介護現場でも、同様の価値提供ができるのではないかと考えています。

InnoHubへ相談を検討されている方にメッセージをお願いします。

新規事業には不安が多いが、InnoHubは気持ちの支えとなる存在です。特に医療の業界はアプローチの仕方が難しいと感じており、馴染みの全くない事業者にとって、InnoHubのようなプラットフォームはありがたいです。まずは相談し、課題を赤裸々にお伝えいただければ、親身になって相談に乗っていただけるので、気軽に相談することが大事だと思います。是非、多くの方にInnoHubの存在を知っていってほしいです。

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